解説!なぜゴミ屋敷は発生してしまうのか?

ゴミ屋敷には発生する原因があります。原因を知って、対策をおこないましょう。

ゴミ屋敷の定義

ゴミ屋敷とは、自宅や敷地内に大量のゴミや不要物を長期間にわたってため込んでいる住宅のことを指します。不要な物が家の中や外にあふれ、足の踏み場もなく、生活可能な空間がないような状態となっています。さらにゴミが積み上げられ、害虫や悪臭が発生している状態になるといよいよ人間らしい生活ができなくなってしまいます。

ゴミ屋敷で起こる問題

不要なものやゴミでいっぱいの部屋ではさまざまな問題が起こります。

衛生問題

ゴミの不適切な処理による不衛生な環境が害虫や悪臭を引き起こし、そこに住む人だけでなく周囲の住民や地域に健康リスクをもたらす場合があります。

生活空間の侵害

住んでいる人自身の生活空間がゴミで占有されることによって、日常生活に支障をきたすことになります。

近隣への迷惑

家の中に納まりきらなくなったゴミが家の外にあふれ、近隣住民に迷惑をかけたり、景観を損なうことにつながります。

あまりにひどい状態が続く場合には、近隣住民から苦情が入ったり、行政が介入して改善を促す場合もあります。

なぜゴミ屋敷は発生してしまうのか

ゴミ屋敷は突如発生するのでしょうか。なぜゴミ屋敷となってしまうのか、原因はいくつか考えられます。

ものが多い

衝動的にものを買ってしまう場合では、必要ないものでも欲しいという気持ちだけで手に入れてしまいます。購入するという行動自体に満足してしまうため、帰ってからも買ったものを袋から出すことなく放置されることもしばしばです。また戦後など物の少ない時代のひとたちに多くみられるのは、必要以上にものをストックしてしまうという行動です。上記のような行動は繰り返すことで、ものがどんどん増えていってしまいます。

整理整頓ができずに捨てられない

使ったものをもとに戻さない、でたゴミをすぐに捨てない、などの行動は整理整頓ができない初期症状といえます。使ったらすぐに戻す、小さなゴミもすぐにゴミ箱へ捨てることで部屋が散らかることを防ぐことができます。整理整頓は必要なもがあるべき場所にあるということですが、それができないということは、常にあれがない、これがないと探し物をする環境となってしまいます。最終的に同じものを購入し、ものが増えていくというサイクルにつながります。また、もったいないから捨てられないという考えがある人も要注意です。いつか着るかもしれない服や、いただきものをもったいなくて使えない、は、おそらくそのままとなってしまいます。

多忙で時間がない

誰でも仕事が忙しく、家には寝るために帰るといったことは一度くらいあるかもしれません。しかしそれが長期的に続いている、その生活が通常である場合、とても家の掃除や片付けをする時間はないといえます。必要最低限の生活といえる食事や入浴を済ませるだけで精一杯という状態では、最初は少しだったゴミが徐々に増えていきます。相変わらず時間がなく、増えていくゴミを片付けることができず最終的に片付けることを諦めてしまうといった傾向があります。

不規則な生活

ゴミは自治体によって、曜日ごとに収集日が決まっており、収集車によって回収してもらうことができます。だいたいは決められた方法と時間があり、それに従ってゴミを出すことになっています。ところが仕事によっては、夜勤があったり出張があったりして、ゴミ出しができないという場合があるのです。夜勤明けでは、帰ってきていよいよ寝たころにゴミの回収が始まったりします。出張にでてしまうと、燃えるゴミの日を2~3回飛ばしてしまうこともあるでしょう。生活時間の違いによってゴミを出すことができないという場合があります。

一人暮らし

ゴミ屋敷は一軒家ばかりでみられるものではありません。近年多いのは、賃貸で一人暮らしをしている部屋です。部屋に呼ぶことができるような親しい友人がいなければ、ゴミに対して指摘をされることもありません。また家族が遠くに住んでいれば頻繁に訪れることもないでしょう。自分だけが我慢すればいいやという環境でゴミは増えていきます。

高齢者

高齢者の住む家でゴミ屋敷がみられる原因では、認知症を疑う必要があるかもしれません。単純にゴミ出しの日がわからなくなってしまっている場合や、必要なものと不要なものの区別がつきずらくなっている可能性があります。また、認知症とは別に高齢者では、体力が少ないため片付け自体が負担となっている場合もあります。

心の病

精神的な疾患による片付けができないという場合があります。孤独や疎外感を感じていると無気力な状態となりなにごとにもやる気がでません。そのような状況のときにはゴミ屋敷になりやすいといえます。

ゴミ屋敷になりやすい傾向

ゴミ屋敷になるひとには傾向があります。

片付けの習慣がない

これは子どもの頃からの習慣が影響します。自分がやらなくても母親や家族の誰かがゴミを捨ててくれていたり、部屋をキレイにしてくれていたなどの経験から自分が片付けや掃除をおこなう習慣がついていません。大人になってもそれが抜けないまま、ゴミなどを放置してしまう傾向があるのです。

もったいない精神

まだ使えるから、また着るかもしれないから、といった理由で何年も使わないものをとっておく傾向があるひとです。捨てることをせずに、新しいものを購入することで、どんどんものが増えていくというサイクルに陥ってしまいます。

無頓着

そもそも整理整頓された環境に興味がなく、散らかっていても気にならないというひともいます。むしろなんでも手に届く範囲にものがあることを好むというひともいます。そのような場合にはゴミ屋敷になりやすい傾向があるのです。

ゴミ屋敷にならないために

なによりも日々の片付けと掃除が重要です。出たゴミはすぐに捨てる、ものの場所を決めて使ったら元に戻すことは散らからないポイントです。定期的な整理整頓をおこないゴミを溜め込まないことを心がけるといいでしょう。

まとめ

整理整頓された部屋は、掃除もしやすく衛生的にも良い環境となります。健康にも被害を及ぼす可能性があるゴミ屋敷は、近隣にも迷惑をかけることになります。事態が大きくならないためにも日々の小さな掃除を続けることをおすすめします。